過去の作品集

H25year

題詠「音」一般の部

最優秀賞
鳴き声もはばたく音も皆積みてトラックの去り鶏舎静もる

竹田市 志賀千里

優秀賞
音痴だと大げさに言いカラオケを次々唄う上司ありたり

熊本県 貝田ひでを

無人駅歓声の中『ななつ星』音もなく去る線路残して

豊後大野市 遠矢賢子

佳作
馬車を引く馬の名は雪蹄鉄の音ひびかせて湯布院の街

熊本県 田村三渓

薪を割る音聞きつけし孫二人腕に抱えて風呂場に運ぶ

玖珠町 秋吉信隆

道具箱開けば亡父が釘を打つ音が聞こえる物置の隅

大分市 牧幸孝

軽やかに駆けて近づき新聞屋コトリと優しき音残し去る

福岡県 原田和代

民宿の真夜の目覚に耳澄ます海原を来る正月の音

佐賀県 高尾政彦

掘り進む井戸に出で来る木炭の火を噴く山の音を秘めもつ

竹田市 阿部是美

ゴットンとブックポストに落ちし音作家の魂に気の毒なれど

日出町 濱本紀代子

かむ音の楽しいものから詰めてゆくごまめ数の子そして蓮の根

竹田市 工藤昭子

地の震うかすかな音の増幅に妻の目とあうキッチンの片隅

大分市 安部修治

梅雨明けの恋は嫌ひだ水音を咥へて亀は沈みゆきたり

大分市 檜垣実生

題詠「音」青少年の部

最優秀賞
ザッザッザッ今限定の雪の音やってきたんだ久住の冬が

久住中学校 加来志穂

優秀賞
手を胸に触れずにわかる胸の音貴方を前に高鳴る心

北九州市立大谷中学校 瀬戸瑠香

音が鳴るコトコト音がばあちゃんがかぼちゃの煮つけつくってくれた

都野中学校 阿南めぐみ

佳作
ドタバタと走る足音笑い声弟たちが帰った証

北九州市立大谷中学校 大庭菜瑛子

初めての音が未来へつながってくどこにだってこの春からだ

北九州市立大谷中学校 大串隼士

忘れろと言わんばかりの雨の音水が流れて過去も流れる

北九州市立大谷中学校 白木冬馬

満月の夜に聞こえる虫の音は時計のはりを止めてしまうの

北九州市立大谷中学校 北島麻子

部屋の中目をそっと閉じ耳澄ますきれいな音が心に満ちる

都野中学校 小澤咲希

自由題 一般の部

最優秀賞
八十人の四分の一は刻み食十字に分くれば祈りのごとく

日田市 江島秀子

優秀賞
厄年と知りて買ひたる大破魔矢帰りの道にちりちりと鳴る

大分市 後藤史子

岡城の本丸跡でキスをした白いキツネはあなたでしたか

大分市 檜垣実生

佳作
七生の今が終りと願ひつつ妻と籠もりぬ目刺し焼く家

大分市 坂井清明

浄土よりこの世へ雲雀落ちて来る礫のごとく真一文字に

熊本県 田村三渓

いかづちに打たるる程の衝撃で羅漢に見入った竹楽の夜

竹田市 菊池信悟

救急車二台並びて車庫にあり今平穏に街は暮れゆく

竹田市 井上静麗

職退いて散歩がてらに犬と行く角のパン屋のその先の店

別府市 河野靖朗

中津城で官兵衛の夢ガイドする天下を取らむとしたことどもを

中津市 秋満吉四郎

六十路にて母捨つるとき身に棲める鬼が主役の無言劇あり

大分市 安部修治

短かきをさらに短かく背を屈す米寿の母のメダカ観察

竹田市 清水三枝子

耳朶に酔ひ滲ませし人の手に手袋の手を握られてをり

愛媛県 山下れいこ

義経を迎え得ずして岡城趾今も見事な石垣のある

竹田市 木本時子

自由題 青少年の部

最優秀賞
大空の朝日に向かい手をのばすしかし「まだだ」と心が叫ぶ

北九州市立大谷中学校 相浦桃子

優秀賞
フォーク置く君のほほ笑み見えた気が…ショートケーキのまぶしい苺

直入中学校 田邉優

春の雨私のからだ包み込む耳をくすぐる桜花のささやき

久住中学校 井上万紀

佳作
帰り道夕やみのなか舞うホタル私を守るほのかなひかり

直入中学校 山田葉月

大きめの足跡のあとをついていく少し小さな私の足跡

北九州市立大谷中学校 大庭菜瑛子

迷惑をかけているかもそう思い不安になりつつまた好きになる

北九州市立大谷中学校 中島麻結

心から出てはかくれるこの気持ち私にはまだ分からない

北九州市立大谷中学校 武田絵夢

草が生え虫にとっては360度すべて緑の世界だろうな

都野中学校 阿南めぐみ